ふだんは馴染みのない出国審査について、初めての方にも理解していただけるように詳しく解説しています。
出国審査の手続きのやり方
空港での出国審査は、いままでの搭乗手続きやセキュリティチェックとは意味が異なるものとなります。それまでの手続きは飛行機に乗るためのもので各航空会社などが管轄するものでしたが、出国審査は国の厳格な手続きとなり法務省が担当することとなります。
出国審査エリアは日本を含め多くの国で撮影禁止エリアとなっていますので、記念撮影をしたり不用意にスマートフォンを向けたりしないように注意してください。
出国審査のエリアへ行くと、付近に案内の方がいらっしゃいますのでその方の案内に従いましょう。
出国審査は一人ずつ行われますので、ご友人と一緒でも審査に行くのは一人ずつです。小さいお子様連れの方はご家族みんなで審査ブースに行ったほうがよいです。
審査ブースではまずパスポートを提出してください。この際、パスポートのカバーを付けていてはいけませんので事前に外すようにしてください。海外の空港でも同様です。
国や空港によっては航空券なども追加で提示する必要があることがありますが、審査官に見せてくれと言われてからで大丈夫です。
よく「なんの目的できたんだ?」とか「何日滞在するんだ?」のようなやりとりをするために英会話の予習をしたりしますが、これは出国審査ではなく入国審査の時の話ですので何も聞かれずにあっさり終わってしまったと驚いてしまうかもしれません。
日本から出国する場合
いくつかの審査ブースと列がありますので、日本のパスポートをお持ちの日本人の方はその上に「日本人」と書かれている所に並びましょう。
ほとんどの場合、審査ブースの前に行きパスポートを提出するだけですぐに終わります。何か質問をされることもほとんどありません。
パスポートにスタンプが押されすぐに返却されますのでそれを受け取ったら出国審査終了です。
海外の国から出国する場合
海外の空港から日本に帰国する時にはその国の出国審査を受けます。基本的な流れは日本を出国する時と同様で、パスポートを提示するだけで終わることが多いです。
並ぶ列は「Foreigner(外国人)」の列です。東南アジアではよく「ASEAN」という列がありますが、日本は加盟国ではありませんのでこちらには並ばないでください。 ASEAN(アセアン)とは東南アジア諸国連合のことで、タイ、ベトナム、インドネシアなどの10か国が加盟しています。
列の混雑具合によって係員がASEANなどの列に誘導している場合はこれに従ってください。自国民や外国人の列のような区分はきっちりと分かれているわけではなく混雑具合によって柔軟に運用されています。
自動化ゲートとパスポートのスタンプについて
最近ではパスポートの審査を専用の機械を使った自動化ゲートで行われることも増えてきました。この自動化ゲートがある審査エリアでは、人による従来の審査と自動化ゲートでの審査どちらかを選ぶことができます。
自動化ゲートでは手続きが速やかに行われるため、旅慣れた方にとっては混雑した列に並ばなくてもよくなり利便性のよいものとなっています。
しかし、自動化ゲートの機械は読み取り専用となっており通過したことを示すスタンプを押す機能がありません。パスポートにスタンプが押されていなくても審査は行われていますので問題ないのですが、 なんらかの手続き上、日本国内にいなかったことを示す必要がある場合などはパスポートを使ってそれを示すことができなくなります。
この場合、後ほど「出入国記録に係る開示請求手続」によって履歴を確認することができます。
初めての方にとってはパスポートのスタンプは旅の記念になるものですので、自動化ゲートではなく従来の人による審査をお勧めします。
もし自動化ゲートを使ってしまっても、その直後にスタンプを受けられるブースや事務所がありますので欲しい方はそちらでスタンプを押してもらうことができます。