初めての海外旅行、飛行機乗り方ガイド
21年10月4日現在のコロナ禍の世界のエアラインの現状と今後の予想

21年10月4日現在のコロナ禍の
世界のエアラインの現状と今後の予想

21年10月4日現在のコロナ禍の世界のエアラインの状況と今後の海外旅行解禁時期の予想について、旅行者数などのデータを参照しながら解説しています。

いつから海外旅行へ行けるようになるのかをデータから読み取る

長いコロナのパンデミックからやっと解放されそうな気配が見えてきました。以前のように海外旅行に行けるようになるのはいつなのか気になるところですが、残念ながら正確な時期についてはまだ誰にもわかりません。

ここでは様々なデータを参照しながら現在(2021年10月4日)がどういう状況で、今後の動きはどのように予想されているのかをお伝えします。

日本国内の現状と海外旅行の制限

まず、海外旅行に係る日本国の措置についてですが、すべての国から日本へ入国する際に水際対策が行われています。

21年9月27日から、対象国からの入国後は検疫所が指定する宿泊施設での隔離期間が3日間まで短縮されましたが、同時に入国後14日間までの自宅待機が求められています。その他の対象国以外の国からの入国ではそれ以上の長い隔離期間が設けられています。

Link新型コロナウイルス感染症に関する水際対策の強化に係る措置について 外務省

イギリスやアメリカなどでは入国規制が段階的に解除されており、ワクチンパスポートや陰性証明書などがあれば入国できるようになっているのですが、帰国の際に日本側で上記のような隔離措置がありますのでいまだ海外旅行は現実的ではありません。

10月に入り、コロナの第5波が落ち着き1日の感染者数が1000人を切りました。予想されていた以上に急速に感染者数が減りましたがその理由ははっきりとはわかっていません。これに伴い全ての都道府県の緊急事態宣言とまん延防止措置が解除されました。

ワクチンの接種率は2回目が59%、1回目が70%となっており、一部の接種会場では予約枠の空きがではじめたことから11月中にはワクチンが希望者に行きわたるとみられています。

Link新型コロナウィルス特設サイト NHK

このように日本国内では落ち着いた状況ではありますが、今後季節的に感染が広がりやすくなるものと考えられており、第6派の発生が予想されています。

また、海外の先進国ではワクチン接種率が60%を超えてきましたが、主な海外旅行先である東南アジアなどでは日本より数か月ほど接種状況が遅れているため、これらの国の状況も見ながら段階的に制限が解除されていくと考えられています。

パンデミック中のエアラインの状況と今後の予想

パンデミックが始まってから世界のエアラインでは大きな対応が求められました。日本国内の航空会社はパイロットなどの人員を解雇せず対応してきましたが、世界中の航空会社では大胆な人員整理や一時休暇が行われました。

また、パンデミックの前から経営状況がよくなかったいくつかの会社は経営破綻となりました。

ここからはICAO(国際民間航空機関)が発表したデータを見ながらエアラインの現状と予想を見ていきます。

LinkEconomic Impacts of COVID-19 on Civil Aviation (ICAO 2021-9-28)

1945年から2021年までの世界の旅客者数のグラフ

1945年から2021年までの世界の旅客者数の推移

このパンデミックが航空業界に与えた影響は歴史上で最も大きく、グラフからもわかるようにオイルショック、湾岸戦争、911、SARS、リーマンショックなどの歴史上の出来事とは比べ物にならない程のインパクトとなっています。

2020年は2019年と比較して年間を通しての世界での旅客者数が60%のマイナスになりました。

20年1月以降の世界の旅客者数の推移は次のグラフのようになりました。

2020年1月以降のコロナ禍の世界の国際線と国内線の旅客数の推移のグラフ

2020年1月以降の世界の国際線と国内線の旅客数の推移 左:国際線 右:国内線

2020年4月には世界の国際線の旅客数は2019年の-92%にまで落ち込みましたが少しずつ回復し、21年8月には-66%にまで回復しています。

ICAOでは今後の予想も行っていますが、やはり確実な予想は難しいためいくつかのシナリオに分けて今後の変化を予想しています。このシナリオはほとんどが右肩上がりであり今後も少しずつ回復していくものと見られます。

アメリカのエアラインの現状と予想

2020年1月以降のコロナ禍のアメリカの国際線と国内線の旅客数の推移のグラフ

アメリカの国際線と国内線の旅客数の推移 左:国際線 右:国内線

地域別にみていくとワクチン接種が先行したアメリカでは国内線はすでに旅客数が-10%にまで戻っており、国際線も着実に回復に向かっています。

アメリカの各航空会社では2021年春頃から休暇を取らせていた従業員を呼び戻しており、急激な国内線の回復によって逆に人手不足に陥っています。

しかしながらアメリカ国内のコロナの感染は収まりきっておらず、いまだに感染者数は1日10万人を超えています。

ヨーロッパのエアラインの現状と予想

2020年1月以降のコロナ禍のヨーロッパの国際線と国内線の旅客数の推移のグラフ

ヨーロッパの国際線と国内線の旅客数の推移 左:国際線 右:国内線

同様にヨーロッパでも国内線の旅客数は-10%以下にまで回復しており、この夏以降ではアメリカ以上に国際線の旅客数が回復してきています。今後もこの回復傾向は続くとみられています。

フランス、スペイン、イタリア、ポーランド、オランダなどでは感染はかなり収まっていますが、イギリスではいまだに感染者数が多いままとなっています。

アジアのエアラインの現状と予想

2020年1月以降のコロナ禍のアジアの国際線と国内線の旅客数の推移のグラフ

アジアの国際線と国内線の旅客数の推移 左:国際線 右:国内線

日本を含むアジア圏では旅客数の回復は遅れており、特に国際線ではいまだに-90%程度とほとんど回復していない状況です。

ベトナム、タイ、マレーシア、フィリピン、韓国、ロシアなどの国では現在感染が拡大中であり、ワクチン接種も欧米に比べて遅れていることからもうしばらくはこの状況が続くと考えられます。

2020年1月以降のコロナ禍の地域別の国際線と国内線の旅客数の推移のグラフ

世界の地域別の国際線と国内線の旅客数の推移 左:国際線 右:国内線

世界の各地域別の状況はこのようになっており、アジア圏が他の地域と比べて特に回復が遅いのがわかります。なお、このグラフの数値は提供座席数ですが、これまでのグラフは旅客数です。

いろいろとデータを見てきましたが、いつから海外旅行に行けるようになるのかを考える上で、現状では次のような点がポイントになります。

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