コロナ後の日本と各国の旅行制限や、有効なワクチン証明書や陰性証明書の入手方法などについてわかりやすくまとめました。
2022年7月現在の海外旅行の隔離期間や水際対策について
2022年の春ごろから、各国でコロナ後の再開に向けて外国人の入国規制の緩和が進められてきました。早い国では規制を完全に撤廃した国もあります。では、次の大型連休である夏休み期間は海外旅行へ行くことはできるのでしょうか?
*この記事の執筆は2022年7月6日です。各国の入国制限等については頻繁に変わりますのでご自身で直接確認するようにしてください。
22年7月初旬現在では日本の水際対策は大幅に緩和されており、ワクチンを3回以上接種していれば滞在国によっては制限がほとんどなくなりました。隔離も必要ありません。ですので制度上、海外旅行の問題はほとんどなくなったと言ってよいでしょう。しかしながら、結論としては少し厳しい状況と言えます。
というのも、日本に帰国する際に陰性証明書を取得することが必要で、取得自体は感染さえしていなければ問題ないのですが、その費用が一人につき1万5千円以上かかります。滞在国が陰性証明書を要求している場合は日本を出国する際にも同様の金銭的負担がかかります。
また、ウクライナ戦争、物価高、円安などの影響もあり航空券が以前に比べ高額なことが多くなっています。このようなことから、旅行へ行くことは可能ですがそれに関わる金額が全般的に高額となっています。
海外から日本へ帰国する場合の入国制限などについて
海外から日本へ入国する際にはワクチン接種証明書、出国前検査、到着時検査、待機の4つの制限があります。これらの制限は滞在していた国、地域の区分によって異なります。
有効なワクチン接種証明書
日本への入国の際に必要なワクチン接種証明書は次のような条件を満たしている必要があります。
- ワクチンを3回以上接種していること
- 公的な機関で発行された証明書であること
- 日本政府が定めたワクチンの種類であること
ワクチンの種類については、1回目と2回目に接種したワクチンが次のものであること。
- コミナティ(Comirnaty)筋注/ファイザー(Pfizer)
- バキスゼブリア(Vaxzevria)筋注/アストラゼネカ(AstraZeneca)
- スパイクバックス(Spikevax)筋注/モデルナ(Moderna)
- ジェコビデン(JCOVDEN)筋注/ヤンセン(Janssen)
- COVAXIN/バーラト・バイオテック(Bharat Biotech)
- ヌバキソビッド(Nuvaxovid)筋注/ノババックス(Novavax)
3回目の接種については次のものであること。
- コミナティ(Comirnaty)筋注/ファイザー(Pfizer)
- スパイクバックス(Spikevax)筋注/モデルナ(Moderna)
- ヌバキソビッド(Nuvaxovid)筋注/ノババックス(Novavax)
- バキスゼブリア(Vaxzevria)筋注/アストラゼネカ(AstraZeneca)(令和4年6月26日から適用)
- ジェコビデン(JCOVDEN)筋注/ヤンセン(Janssen)(令和4年6月26日から適用)
出国前検査(陰性証明書)
出国前検査は、海外に滞在している国で受ける必要がある陰性証明書のことです。これは出国を予定している航空便の現地出発時刻より前の72時間(3日)以内に海外の現地で検査を受け、陰性証明を発行してもらわないといけません。日にちではなく帰国する飛行機の出発時間からさかのぼって72時間以内ということに注意してください。
72時間の時間制限は、検体が採取された時間がスタートであり、証明書が発行された時刻ではありません。また、予定されていた帰国便がキャンセルされたり遅延があった場合は、さらに24時間(72時間+24時間)までであれば認められますが、それ以上の時間が経過していた場合は再度検査を受けていただく必要があります。
この陰性証明について注意しなければならないのは、滞在を予定している国で日本政府が定める有効な陰性証明書が入手できるのかということです。陰性証明でも日本政府が認めるものでないと飛行機に乗ることができません。
現地へ着いてから探してもそのような検査所が見つからないことがあり、その場合は帰国できなくなりますので必ず旅行の計画の段階で陰性証明書を発行できる施設が現地にあるかどうかを確認しておいてください。また、その施設に連絡を取り予約しておくことをお勧めします。
陰性証明の検査費用は高額となっており、現在のところ安くても1万5千円ほどとなっています。同じ地域の検査機関でも機関によって費用の差が大きく、3万円を超えるところもありますので金額も事前に確認しておいてください。
Link出国前検査証明書 厚生労働省
到着時検査
日本の空港へ到着後の検査です。検査結果がでるまでにしばらく時間がかかります。検査で陽性となった場合は検疫所の陽性者施設で療養が必要となります。
待機期間
現在、条件によって自宅での3日間の待機、あるいは施設での3日間の待機が必要な場合があります。自宅での待機であっても自宅で自由に過ごすことができるというわけではなく自宅待機期間中のルールがありますのでそれに従う必要があります。また、待機期間中に検査を受け、陰性を確認する必要があります。
Link自宅等で待機が必要な方に守っていただきたいこと 厚生労働省
他の国へ入国する場合の制限などについて
海外各国の旅行者受け入れ状況は国によって様々です。全ての条件を撤廃した国から厳しく規制している国まであります。各国の状況は外務省がまとめていますのでこれをご紹介します。
この外務省のページでは各国の制限措置等がある国が記載されているのですが、制限がない国、地域は記載されていません。この点が問題で、記載されていない国、地域について、外務省が制限がないと確認したのかそれとも確認していないからリストに記載されていないのかが判断できないためこの点は改善をお願いしたいと思います。
各国の対応は概ね次のように分かれます。
- 制限を撤廃した国
- ワクチン接種証明書が必要な国
- ワクチン接種証明書と陰性証明書が必要な国
- 入国後隔離措置が必要な国
その他、次のようなポイントにも注意してください。
- ビザ:コロナ前とは対応が変わっていることがあります。一度訪問したことのある国でも必ず事前に確認するようにしましょう。
- 入院保険に入っていることを証明できるものを提示する必要があることがあります。
- 事前オンライン申請
- 追跡アプリ等のダウンロード
また、各国で旅行する際には現地のマスク着用などのルールをよく確認してトラブルにならないよう気を付けましょう。
トランスファー(経由便)の場合は?
直接目的の国へ行く直行便ではなく、別の国を経由する経由便を利用した場合、各国への入国時の対応が変わってくることがあります。このような対応状況を把握することは難しいため、可能であれば直行便を選択することをおすすめします。
このように、制限はかなりゆるくなりましたが事前に下調べをしないといけないことが増えました。個人で海外旅行を計画するのはなかなか難しい状況です。こういった点から、もし海外旅行へ行かれるのであればツアー旅行を利用するのがおすすめです。
上記のような出入国の書類や、現地での陰性証明書の準備などをまかせることができ、情報も個人で調べるより確実で、もしもの際にも助けてもらうことができますのでJTBなどの大手ツアー会社を利用するのが確実です。
LinkJTB 大手海外旅行ツアー会社
JTBのwebサイト内では各国のツアーの項目がありますが、具体的にツアーを検索するとまだツアーに行けない国は検索結果が表示されませんので、現在どの国なら海外旅行へ行けるかがわかります。行きたい国への旅行を考えている方は一度検索してみてください。