飛行機に乗るための手続きでおそらく一番緊張するのがセキュリティチェックではないでしょうか?今回は初めてでも安心できるセキュリティチェックの受け方について解説していきます。
初心者向けセキュリティチェックの受け方解説
空港のセキュリティチェック(保安検査)は他の手続きに比べて知っておいて頂きたいことが多くあります。日本から出発の際のセキュリティチェックはどの空港も似たようなやり方になっていますが、世界の他の国々の空港では様々な方式でチェックが行われています。
今回は海外の方式のものも含めて解説したいと思いますが、セキュリティの方法は数多くあるうえにどんどん進化していきますのでその全てを解説することはできません。
ですので実践的なテクニックとしては、列に並んでいる間に検査を受けている人がどういうことをしているのかを観察することが重要になります。特に海外の空港では英語の案内しかないことが多いですので、周りの人の動きをよく見るようにしてください。
保安検査にはボディスキャンとX線荷物検査があります
セキュリティのチェックにはご自身の身体をチェックする金属探知機によるボディスキャンと、持ち込む荷物をチェックするX線検査があります。この二つの検査は同時に行われます。
ボディスキャン
ボディスキャンは金属探知機が設置してあるゲートを人がくぐるもので、日本の空港ではこれが一般的です。係員が一人ずつ呼びますのでそれに合わせてゲートをくぐってください。
ボディスキャンのゲートをくぐる時に手に持っているのは航空券とパスポートだけです。他の物は荷物検査に出しましょう。ただし航空券とパスポートは必要ない場合もあります。
ゲートをくぐってなにも音がならなければOKです。荷物を受け取って先へ進みましょう。
もし音が鳴ってしまってもあわてないでください。音が鳴ることはよくあります。この場合、係員が手に持つタイプの金属検査機を身体の様々な場所に当てていき反応がある場所を探りますので係員の指示に従ってください。
ポケットのあたりで探知機に反応があったような場合はポケットの中身をすべて出すように指示されますので出しましょう。海外の場合でも係員がポケットあたりを指して何か言っているのなら同様に中身を出してくださいという意味です。
ポケットの中を出した後には係員がすべてのものをポケットから出したかどうかをポケットの上から手で触れてチェックします。
金属探知機にひっかかりやすい物としては、腕時計、イヤリングやネックレスなどのアクセサリー、眼鏡、ポケットの中の家や車のカギ、ネクタイピン、衣類に使われている金属製のボタンなどがあります。
また、手を拭いたあとのハンカチやウェットティッシュなどの水分を含んだものもまれに反応することがあります。
探知機にひっかっかりそうなものを全て出したうえで再度探知機を通過するように指示されます。これを音がしなくなるまで行います。
ボディスキャンをする上で係員が必要と判断した場合には、お腹周りや股などを手で触れてチェックすることがあります。
荷物のエックス線検査
荷物を載せるためのトレーが用意されていますので、それにカバンなど航空券とパスポート以外の全てのものを載せます。ジャケットやスーツの上着なども脱いでトレーに載せてください。
カバンの中にノートパソコンやタブレット端末を入れている場合は事前にカバンから取り出しておき、トレーの開いている場所に載せるようにしてください。
トレーがエックス線検査機を通過している間にボディスキャンが行われますので、ボディスキャンが無事終わりトレーが検査機を通過して流れてきたらそのまま受け取って大丈夫です。
トレーは他の方のものもどんどん流れており受け取りは個人で勝手におこなうことになりますので、財布やスマートフォンなどの貴重品は個別にトレーには置かずにカバンの中に入れてしまったほうがよいです。
荷物の中身に問題がある場合は検査官がその荷物の中を開けて見せるように言われますので従ってください。海外でも同様に、カバンについて何か言われた場合は言葉が分からなくても開けて中身を見せるようにしてください。
荷物を開けるときは周りに他のお客さんが居ることが一般的です。下着類などプライベートなものを取り出すことになったとしてもプライバシーよりセキュリティが優先されますので、変にためらったり拒否したりせず素直に従うようにしてください。
ボディチェックが終わり検査を通過したトレーを受け取ったら、直後に荷物を置くことができる台がありますのでそこで身なりを整理しましょう。トレーの中や台の上に忘れ物がないかよく確認してから次の場所に移動しましょう。
機内持ち込みが制限されているもの
機内に持ち込めないものには様々なものがありますが、ここではよく制限にひっかかるものをいくつかご紹介します。
持ち込み禁止品の詳細については下記のリンク先からご確認ください。この制限は世界共通のものですが、帰国の際は各国独自の制限が追加されることもありますのでその場合はそれに従ってください。
Link
機内持ち込み制限品 関西空港
輸送禁止品・機内持ち込み制限品について 新千歳空港
※空港ごとに制限が違うのではなく国内空港の制限はすべて同じものです。
※リンク先の案内の記載内容の詳しさに差があります。
化粧品や食料などの液体
化粧水やクリームなどの液体は100ml以下の容器に入ったものでなければなりません。さらにこの容器をジッパーのついた透明なプラスチックバッグに入れておかないといけません。ジップロックのようなものです。
この100mlというのは合計ではなくそれぞれが100ml以下ということですので、化粧水100ml、乳液100ml、ボディクリーム100ml、合わせて300mlのような形でもかまいません。
この「液体」とみなされるものは、クリーム状のものやペースト状のものも含まれますので、例えば調味料の味噌やレトルト食品、歯磨き粉なども含まれます。これらはスーツケースなどの預け荷物で持っていくことができますので事前にスーツケース内に移動させておきましょう。
事前に飲んでいたペットボトル飲料もここに含まれますのでセキュリティの列に並ぶ前に飲んでしまいましょう。
はさみやカッターなどの刃物
ハサミやカッターナイフなどの刃物は機内に持ち込むことはできません。眉を整えるための小さなハサミも含まれます。また、スイスツール(十徳ナイフ)のようなコンパクトでいくつかの機能がついたツールは旅行に便利ですが、これも持ち込みは禁止されています。
文房具としてのカッターナイフも禁止されています。ハサミやカッターナイフは化粧品ポーチやペンケースに以前から入ったままのことがありますので旅行前には一度中身を整理しておいてください。
マッチやライター
タバコを吸われる方はマッチやライターに注意してください。ライターは1個だけなら持ち込むことができますが、海外から帰国する場合は全て禁止されていることもあります。
旅行に使うカバンを普段から使っているものを持っていく場合は、カバンのポケットに以前入れたライターが入ったままのことがありますので見落としがないかチェックしてみてください。
もしもセキュリティで持ち込み禁止品がみつかってしまったら?
もし禁止品がみつかってしまったら、それらはそのまま没収されてしまいます。没収というよりは、周りから目立つ位置に透明な大きな箱があり、そこへ入れられてしまいます。
セキュリティの列に並んでいる間や金属探知機を抜けたあとにその箱がありますのでどういったものが没収されているのか観察してみてください。
上に挙げたような物は自覚なく持ち込んでいることがよくあり、セキュリティでひっかかることもよくあることですのでひっかかってしまったとしても大きく考えないでください。
セキュリティゲートに並んでいる間に準備しておこう
飛行機旅行のすべての手続きの中でおそらくセキュリティゲート通過が最も忙しい瞬間だろうと思います。セキュリティに並ぶ列が長いことが多いためかなり急かされることがあり、周りの方も焦っています。
ですのでセキュリティゲートに並んでいる間にスムーズに通過できるように準備しておきましょう。
腕時計、アクセサリーなど金属のものを全てはずしカバンに収納しておきます。また、全てのポケットの中身もカバンに入れておきましょう。これをしておかないと自分の順番が来てから準備したのでは遅くなってしまい後ろの方にどんどん抜かされることになってしまいます。
そして、列に並んでいる間にズボンのベルトを外す必要があるか?靴を脱ぐ必要があるか?を前の人をよく見て知っておきましょう。ベルトと靴は空港によって、また国によって外すかどうかが違ってきます。
これらに注意しておかないと、ゲート直前でもたついてしまうことがありますので意識しておいてください。
ボディチェックの方法の違い
ボディチェックの機材は上でご紹介した金属探知機のゲートが一般的ですが、国や空港によってはさらに精度が高い全身スキャンが使われていることがあります。
この装置は、装置の中に入り足を決められた位置に置き両手を上に広げた状態のまま動かないでいると、機械が自分の周りを1周してスキャンが行われるものです。
このような新しい装置がどんどん取り入れられセキュリティのやり方も変わってきますので、前の方の様子をよく見ておくようにしてください。
列が混雑していて出発時間が近づいてきたら
セキュリティゲートは空港や時間帯によってはかなり混雑していることがあり、通過するのに30分以上かかることも珍しくありません。
このような状況で飛行機の出発時間が迫っていたらどうすればよいのでしょうか?
チェックインカウンターで航空券を発券してもらいそのままセキュリティゲートに向かった場合は、当然同じ便の他の乗客もセキュリティの列に並んでおり、そのままでは多くの方が遅れてしまうことになるため焦る必要はありません。
このような時は飛行機の出発が遅れるか、セキュリティゲート付近で「〇〇便に搭乗予定のお客様はいらっしゃいますか?」と係員が呼び出しを行いますのでそれに従えば大丈夫です。
覚えておいて欲しいのですが、飛行機は乗客の預け荷物だけを載せたまま、その乗客なしで飛ぶことは絶対にありません。なぜなら本人が乗らないのに荷物だけ載せられているという状況はかなり怪しいからです。荷物に爆発物がしかけられているかもしれません。
ですので、少し遅れたからといって置いていかれるというようなことにはなりません。
もし本当に搭乗客が飛行機に現れない場合にはその搭乗客の預け荷物を機内の貨物室から降ろしてから出発します。
つまり、チェックインカウンターが開いている時に通常の発券が行なわれたのであれば、その後のセキュリティが混雑していても空港スタッフの管理下にあるため大丈夫ということです。
チェックインカウンターに着いた時にすでにかなり遅れていた場合は、発券が行われたとしても乗れない可能性があることを告げられることがあります。あるいは空港によっては係員が帯同し、セキュリティ、出国審査を通り飛行機まで特別なルートで案内してくれることがありますが、これは迷惑がかかりますのでこのようなことがないようにしましょう。
空港内の混雑の状況は変わりやすいため、空港へは早めに到着し、航空券が発券されたあとはそのままセキュリティゲートへ進むことをお勧めします。